- 著者
-
鈴木 五郞
- 出版者
- 千葉医学会
- 雑誌
- 千葉醫學會雜誌 (ISSN:00093459)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, no.4, pp.477-497, 0000
余ハ從來死骨片、象牙杆或ヒハ金屬杆等ヲ用ヒラレタル骨折例症ニ向ツテ我國到ル所到ル場合ニ容易ニ得ラレ而カモ極メテ廉價ナル牛角ヲ應用セント欲シ中等大家兎ヲ用ヒテ動物實驗ヲ行ヒ其ノ成績良好ナルヲ認メタリ。余ノ動物實驗ハ彼等ノ運動上最モ必要ナル且ツ最モ轉位ヲ起シ易キ後肢大腿骨ニ人工的骨折ヲ起シ直チニ自ラ作製セル牛角杆ヲ以テ「ボルツング」ヲ施シ特別ノ副木ヲ用ユルコトナク放置シタリ。而シテレントゲン線檢査並ニ組織學的檢査ニヨリ其ノ骨折治癒機轉ニ向テ何等ノ障害ヲ及ボスコトナク完全ニ固定ノ目的ヲ達スルヲ確メタリ。於茲余ハ更ニ臨床ニ應用シタルニ其ノ例末ダ多カラザレ共何レモ化膿ノ徴候ヲダニ呈セルモノナク假骨形成順調ニシテ經過良好ナルヲ認メタリ。新字体抄録: 余ハ従来死骨片、象牙杆或ヒハ金属杆等ヲ用ヒラレタル骨折例症ニ向ツテ我国到ル所到ル場合ニ容易ニ得ラレ而カモ極メテ廉価ナル牛角ヲ応用セント欲シ中等大家兎ヲ用ヒテ動物実験ヲ行ヒ其ノ成績良好ナルヲ認メタリ。余ノ動物実験ハ彼等ノ運動上最モ必要ナル且ツ最モ転位ヲ起シ易キ後肢大腿骨ニ人工的骨折ヲ起シ直チニ自ラ作製セル牛角杆ヲ以テ「ボルツング」ヲ施シ特別ノ副木ヲ用ユルコトナク放置シタリ。而シテレントゲン線検査並ニ組織学的検査ニヨリ其ノ骨折治癒機転ニ向テ何等ノ障害ヲ及ボスコトナク完全ニ固定ノ目的ヲ達スルヲ確メタリ。於茲余ハ更ニ臨床ニ応用シタルニ其ノ例末ダ多カラザレ共何レモ化膿ノ徴候ヲダニ呈セルモノナク仮骨形成順調ニシテ経過良好ナルヲ認メタリ。