著者
川勝 真喜 鈴木 和憲
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

老人保健施設においてBGMとして高周波音を含む音源と含まない音源を2週間ずつ流し,音楽呈示前後で認知症患者の精神症状を評価する方法の1つであるNeuropsychiatric Inventory,(以下NPI)スコアの差を比較した.回帰分析の結果, 高周波音を含む音源と含まない音源の呈示期間の前後のNPIスコアの差に有意差があり,FRS呈示時にNPIスコアの増加が抑えられていた.我々はこれまでに別の施設でも同様の結果を得ている.このことから人の耳に聞こえない高周波音を含む音楽や自然音は,可聴域の音のみを呈示した場合よりも認知症高齢者の周辺症状(BPSD)の緩和に効果がある可能性が示唆された.