著者
鈴木 孝子
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.103-109, 2002

本報告は、現代の家族にとって支援となるものを二一ズの側面からグループインタビュー法を適用し、調査した結果である。虐待を受けて苦しむ子がその典型例であるが、困難な問題をもつ児童の背後には、必ず、子どもを十分に育てられない親や家族の存在がある。子どもの発達・成長には親や家族の生活が健康で安定して営まれていることが欠かせない。家族と家庭は、子どもの成長を育む第一の支援環境である。そこで、児童の家族自体がリスクを抱えているとき、子どもに対する援助と併行して家族を援助、支援する働きかけも重要になる。現代の家族は、大きな社会の変化の波に余儀なく曝されている。夫婦、親子、男女の役割、家族関係のありかたが変化している。子どもたちの育つ環境、困難を乗り越える環境づくりを支援するためにも、家族の内と外から専門職が支援するシステムやプログラムづくりが、一つの課題となる。