- 著者
-
田村 暢一朗
椎野 泰和
鈴木 幸一郎
- 出版者
- 一般社団法人 日本集中治療医学会
- 雑誌
- 日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.1, pp.33-37, 2015-01-01 (Released:2015-01-19)
- 参考文献数
- 7
- 被引用文献数
-
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今回われわれはウレアーゼ産生菌による高アンモニア血症の2症例を経験したので報告する。【症例1】71歳,女性。朝方自宅で倒れているところを発見された。頭部CTおよびMRI,脳波,髄液検査などで異常所見なく,ウレアーゼ産生菌による尿路感染を疑った。気管挿管,尿道バルーンを挿入,ampicillin/sulbactamの投与を行った。尿培養ではCorynebacterium urealyticumが検出され,ウレアーゼ陽性であった。【症例2】67歳,女性。意識障害を主訴に救急搬送された。ウレアーゼ産生菌による尿路感染を疑い,尿道バルーンを挿入,cefozopranの投与を行った。尿培養ではKlebsiella oxytocaが検出され,ウレアーゼ陽性であった。2症例とも尿閉であった。尿閉患者における高アンモニア血症の原因を鑑別する上で,ウレアーゼ産生菌による尿路感染は考慮されるべきである。