著者
鈴木 穂高
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.31-33, 2020-02-25 (Released:2020-04-24)
参考文献数
10

フグ毒のマウス試験では,ddY系統のマウスを用いることが定められている.ddY系統のマウスは,国立予防衛生研究所を起源とし,3社より供給されていたが,3社のddY系統コロニーは分離してから30年以上が経過している.本研究では,3社のddY系統マウスを用いて,テトロドトキシンに対する感受性の違いについて調べた.実験は参考法に従い,テトロドトキシン試験溶液をマウスの腹腔内に投与し,致死時間を測定した.その結果,ブリーダー間でマウスのテトロドトキシン感受性に有意な差は見られなかった.しかし,平均値に対するデータのばらつきを示すCV値にはブリーダー間で差異が見られ,試験結果の安定性に対するブリーダーの影響が示唆された.