- 著者
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青木 能理顕
鈴木 謙治
長谷川 洋
安井 至
- 出版者
- 公益社団法人 日本セラミックス協会
- 雑誌
- 窯業協會誌 (ISSN:00090255)
- 巻号頁・発行日
- vol.93, no.1078, pp.327-333, 1985-06-01 (Released:2010-04-30)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
5
6
分子軌道法 (Intermediate Neglect of Differential Overlap: INDO法とGAUSSIAN-80H: ab initio法) を使用してホウ酸ガラスの最小構造単位であるBO3ユニットのB-Oの結合距離及びBO3ユニットを2個結合させた場合の結合角, 更に三員環 (boroxol環) のB-Oの結合距離, 四員環の最適構造を検討した. 分子軌道法では全原子価電子を考慮できるINDO法を用いてBO3ユニットの最適構造を求め, BO3ユニット2個の結合角を計算した. ホウ酸ガラスの局所的な構造については, B-Oの結合距離が1.35-1.45Åであることが明らかになり, Mozzi, WarrenらによるX線の結果と十分良い一致をみた. 更にINDO法により求めた2個のBO3ユニットを結合させた場合のB-O-Bの結合角が120度に近いことにより, boroxol環の存在を強く示唆する結果が得られた.次に, INDO法の結果を参考にしてHand-built法を使用してboroxol環, BO3ユニットを基本構造単位として構造モデルを作成し, ホウ酸ガラスのマクロな構造を検討した. 動径分布曲線と角度分布曲線及び層間距離を検討した結果, ホウ酸ガラスの主要な部分はboroxol環からなっていて, それに加えて少量のBO3ユニットが含まれていることが明らかになった.