- 著者
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鍋谷 大二郎
宮城 一也
上 若生
橋岡 寛恵
金城 武士
古堅 誠
原永 修作
藤田 次郎
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
- 雑誌
- 気管支学
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.3, pp.246-250, 2017
<p><b>背景.</b>気管支結石症は,本邦では結核感染による石灰化リンパ節が原因として多かったが,近年は気道分泌物由来の結石症が増加している.今回,繰り返し気管支鏡的除去術を要した分泌物由来の気管支結石症を経験した.<b>症例.</b>51歳女性.結核感染症の既往や石灰化リンパ節はない.高度の側弯症があり,若年時より下気道感染を繰り返していた.38歳時には胸部CTで気管支拡張と気管支内腔の結石を指摘されていた.43歳時に呼吸不全の改善を目的に気管支鏡下に最初の除石術を行った.その後も同様の理由で度々除石術を要し,8年間で計7回の除石術を行った.除石術に関連する合併症は認めなかった.結石の主成分は炭酸カルシウムであった.気道の加湿の改善と排痰方法の変更の後は,2年以上再発を認めていない.<b>結論.</b>側弯症と気管支拡張による持続的な気道クリアランス不良により,分泌物由来の気管支結石を繰り返したと考えられる.気管支内腔に遊離する結石であったため,気管支鏡による除石術は安全で実用的であった.</p>