著者
鍵山 和香 RÜTHSCHILLING Evelise Anicet
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.656-663, 2013-07-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
20

多民族を対象とした下着の企画や設計の指針を得ることを目的として,ブラジルの下着の市場調査ならびに,ブラジル人女子大生(17歳~39歳)の下着の着用実態(241名),体つきの意識(229名),所持ブラジャーの実物調査(50枚)を実施した.ブラジル市場で多かったブラジャーのタイプは,ワイヤー入り3/4カップ,シンプルなデザイン,モールドカップ,土台なしタイプであった.女子大生が所持していたブラジャーも同様の傾向を示した.着用していたショーツは,ヒップを包みこまないタイプが83%を占めた.アウターにひびき難く,自然なシルエットになる下着を志向していた.理想とする体型はくびれ型,バストは半球型,ヒップは三角形型であった.バストを理想に近づける方法として,ブラジャー着用に次いで,55%のものが乳房整形手術をあげた.ブラジル人女子大生の体つきの意識を同年代の日本人と比較すると,ブラジル人は日本人より豊満な体格であるが自己を細いと評価し,日本人のような痩身志向は認められなかった.