著者
姚 慧頴 張 萠蓉 安 宗超 王 星宇 鐘 杰夫 王 沙莉
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.456-462, 1998

嗅覚識別テストすなわち、University of Pennsylvania Smell Idenitification Test (UPSIT) 国際版を北京人嗅覚正常者100名に実施した。方法は嗅素を10-20μmマイクロカプセル紙、各紙に4つの嗅素を仕込んである。嗅素を選択する"scratch and sniff 法"、"forced choice法"で回答を選択させる。以下に示す結果が得られた。1. UPSIT の平均正答率は、20問に対して北京人では年代層により有意の差が認められた。2. 年代層別では60歳代より正答率の低下が分析された。3. 各ニオイの正答における順位では、北京人、日本人、米国人の環境、文化の違いに留意すべきであろう。今後は、北京人に匂い文化の発達を考えると、現在の嗅素をそのまま用いる事には幾らか問題がある。中国人に馴染みの嗅素、例えば納豆、豚饅、ギョウザ、中国酒などを含めた嗅素組み合わせによるSITを開発する必要がある。