著者
長尾 敏之
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.258-261, 2011-03-01

せん断応力を測定原理とする濃度計は通常使用する一般計器と異なり計器校正が難しい。しかしパルプ配合の適正さを維持するためにはこの濃度計の機能維持が重要な要因である。<br> 当社はパルプ濃度の適正化のため,濃度計およびプロセスに関する問題点抽出とその対策について長年にわたり取り組んできている。これまでは濃度計設置場所(直管長),制御方法について改善を進めてきた。近年パルプ配合適正化のため流量計の精度検査を実施してきたが,本年の取り組みの中で新たに計装として濃度計の性能保証を目的にせん断応力を測定原理とするすべての濃度計について錘検定を開始した。全濃度計をA,B,Cランクに区分けし,Aランクは1年,Bランクは3年,Cランクは5年周期で錘検定を計画し現在進行中である。対象機種は三島工場の中で使用台数の多い「Metsoブレード式」,「Metso回転式」,「Dezurik回転式」について錘テストの実際について発表する。また三島工場での使用実績が特に多いMetsoブレード式濃度計について「温度特性」のデータについても報告する。<br> 本発表に先立ち,これまで当社で実施してきた濃度計に関る問題点と改善事例について,DezurikおよびMetsoブレード式濃度計の取り付け位置(直管長),プロセスに起因する濃度変動事例を併せて説明する。