著者
長岡 悠美 夏秋 優 山西 清文
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.462-464, 2010-10-30 (Released:2011-11-02)
参考文献数
7

64歳,女性。萎縮性膣炎のため産婦人科でホーリン®V膣用錠を挿入された。その直後から気分不良を生じ,約30分後に全身に熱感と痒みを伴う紅斑が出現すると共に呼吸困難と意識混濁を生じた。すぐに膣内を洗浄して,ステロイド剤の点滴療法を施行したところ,症状はすみやかに軽快した。原因検索のために施行したプリックテストでは,ホーリン®V膣用錠の成分(エストリオール,ステアリン酸マグネシウム,マクロゴール6000)のうちマクロゴール6000のみで陽性を示した。以上より,自験例をホーリン®V膣用錠に含まれるマクロゴール6000によるアナフィラキシーと診断した。