著者
長峯 美穂 山縣 一夫 武藤 英二
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.411-414, 2002-06-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
17
被引用文献数
3

症例は57歳の男性, 40歳より2型糖尿病の診断で, 他院で内服治療をうけていた, 2000年2月, 血糖コントロールが不良になり市立旭川病院糖尿病内科を紹介入院となった. 入院時のCA 19-9は110. 4U/ml, CEAは7.5ng/mlと高値を示し, 悪性疾患を疑い検索をすすめた. CFで大腸腺腫を認めたが, GF, CT, ERCPなどの画像検査では異常を認めなかった. 入院後, 食事療法とインスリン治療により血糖は改善傾向を示した. それに伴い腫瘍マーカーも減少し, 退院時にはCA19-9は64.7U/ml, CEAは3.9ng/mlとなった, 糖尿病患者は健常者に比較して腫瘍マーカーが高値であるとの報告はみられるが, 血糖と共に変動する症例報告は比較的少ないため報告する.