- 著者
-
佐々木 麻友
長崎 太
- 出版者
- 一般社団法人 日本肝臓学会
- 雑誌
- 肝臓 (ISSN:04514203)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.12, pp.610-617, 2023-12-01 (Released:2023-12-11)
- 参考文献数
- 18
症例は30代女性.アルコール性肝硬変で外来に通院し,分岐鎖アミノ酸製剤を含む内服薬加療,禁酒とアルコール依存症の専門医療機関受診の指導を受けていたが,専門医療機関未受診で多量飲酒を継続し,アドヒアランス不良であった.初診から2年後,貧血と脱水,低栄養の進行,CTで脂肪肝と腹水貯留を認め入院.内科的治療と並行して,日本肝臓学会のアルコール依存症の診断と治療に関するeラーニング研修を受講した管理栄養士が,肝臓専門医の指導の下,入院中から退院後まで継続的に肝硬変の栄養療法ならびに禁酒・飲酒量低減について介入し,飲酒量低減,栄養状態と肝予備能改善が得られた.本eラーニング研修を受講した管理栄養士による介入は,アルコール性肝硬変患者の集学的治療に有効であることが示唆された.