著者
長村 文孝
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.145, no.4, pp.211-215, 2015 (Released:2015-04-10)
参考文献数
7

自社内のみで開発から市販までを完結するクローズドイノベーションは,特に創薬に関しては世界的に行き詰まりをみせ,外部機関と広く連携を行うオープンイノベーションが推進されている.一方,アカデミアの基礎研究力を活かした新規治療法の開発が着目され,政府の支援も拡大している.アカデミアも従来の自機関内での開発では非効率的であるだけではなく,必要なインフラの整備あるいは開発に必要な専門家の確保等の問題により,広く連携を行うことが不可欠となってきている.アカデミア間の連携促進のために国からの競争的資金も導入されるようになり,また,他施設との共同利用型の設備あるいは体制整備も進んでいる.本章では,このようなアカデミアでの連携,すなわち,オープンイノベーションの推進の現状,そしてそれと密接に関連したアカデミアでのシーズ開発についてまとめる.