著者
長浜 恵
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.66, pp.10-12, 2015-12-15 (Released:2018-02-05)
参考文献数
4

イネばか苗病の発生源から異なる距離にある水田で採取した種籾を翌年播種し,本病の発病苗率を調査 した.その結果,発生源からの距離に比例して発病は少なくなり,50m~100m 以上離れると発病苗率は急激に低くなった.このことから,発生源から少なくとも100m 以遠では,ばか苗病菌の分生子の飛散は少なく,保菌籾率に及ぼす影響は小さいと考えられた.この結果を参考にして,北海道では,出穂後の採種ほ審査時に,採種ほの周辺ほ場にばか苗病発病株があった場合,その株から100mの範囲内の採種ほ内の株からは採種しないこととした.また,採種ほの周辺ほ場でばか苗病の発生程度が少発生以上認められる場合は,採種ほに最も近い発病株から200mの範囲内の採種ほ内の株からも採種しないこととした.