著者
長瀬 友樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.109-110, 1990-09-04
被引用文献数
1

近年,機械翻訳の利用形態はたいへん多様になってきている.例えば,電子メールやテレックスの翻訳,外国人との会話翻訳システムなどが考えられているが,これらに共通する傾向として「即時性」がある.「即時性」を要求されることは,翻訳前に固有名詞を始めとする未登録語を登録することができないことを意味する.したがって,翻訳システムはこれまで以上の正確さで固有名詞などを認識し,翻訳精度を上げる必要がある.そこで我々は,形態素解析と構文解析の間に,固有名詞等を認識するための新しいフェーズをつくり,実験を進めている.これは,字種,長さ,品詞などをもとに,形態素リストの各ノードにタイプ付けを行い,このタイプを終端記号としてCFG規則を適用するものである.記号列のまとめ,ひらがなの未登録語認識なども同時に処理できるが,ここでは固有名詞の認識に絞って説明する.