著者
田村 慎司 田村 由美子 鈴岡 宣孝 大岡 恵 長谷川 孝寿 内田 和幸 渡邊 洋平 朝長 啓造
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.49-52, 2006 (Released:2007-11-14)
参考文献数
14

急性の脳幹・辺縁系症状を呈した猫が,各種検査で広範な脳炎と診断された。安楽死後,通常の病理組織学的検査により,MRIで炎症像が認められた部位に一致したクリプトコッカス脳炎と診断された。血清中の抗ボルナ病ウイルス(BDV)抗体が陽性だったため,脳組織を免疫染色したところ,MRIおよびH&E染色による病理組織学的検査でともに異常が認められなかった小脳・橋・延髄の神経細胞内に免疫染色でBDV抗原が検出され,BDV感染が確認された。