著者
長谷川 武史
出版者
名寄市立大学
雑誌
名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
巻号頁・発行日
no.4, pp.17-30, 2015-03

本研究では、セーフコミュニティにおけるレジリエンス機能について、どのような活動の中でそれが形成されるのか、Risk事象への取り組み過程から検討を行った。セーフコミュニティは安全を保障する状態を示すものではなく、現在進行形で取り組みを行っている状態である。特定の地域課題に対し、住民に明確な問題意識・解決志向を養成・維持していくことで、安心・安全な地域環境作りを図ることを目的にしており、セーフコミュニティは各地域特徴を踏まえた体制をとっている。特定のRisk事象に対して、そのコミュニティに参加している住民間が共通の問題意識を形成することで、Risk事象へのレジリエンス機能(対処策)を獲得できる。コミュニティにおけるレジリエンス機能は、地域の連携力、コミュニケーション能力、問題解決力等を意識していくための概念であるが、セーフコミュニティはそれ自体、レジリエンス機能を有する形態であることがわかった。