著者
長谷川 秀記
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.587-598, 2016-12-01 (Released:2016-12-01)
参考文献数
5

日本の電子出版30年の歴史を電子辞書と電子書籍の2つのコンテンツから概観する。日本の電子出版はCD-ROMの登場とともに誕生した。電子辞書は1980年代後半に生まれたCD-ROM辞書から始まり,1990年代後半には携帯電子辞書端末が主流となる。1999年iモードがリリースされると会員制のケータイ辞書引きサービスが生まれ,現在はネットワーク辞書とスマホ辞書アプリが主流になるなど時代によって媒体が変化してきた。現在はネット上の無料辞書引きサービスや検索エンジンに押されて有料電子辞書は苦戦をしている状況である。一方,電子書籍は電子辞書に比べると普及に時間がかかった。最初の電子書店は1990年代半ばにできたが,iモードによってケータイでコミックが読めるようになると徐々に普及が進み,スマートフォンの発売や米国での電子書籍のブームを受けて,日本でも2010年は「電子書籍元年」と騒がれた。現在はまだ印刷本の電子化という段階にとどまっているが,今後電子ならではの表現が加わることが期待される。
著者
長谷川 秀記
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.31-47, 1998 (Released:2001-04-01)
被引用文献数
1 1

電子出版は国家規模においても取り組みが開始されますます盛んになってきているが,その編集工程や技法は充分普及しているとは言えない。本稿では文字を中心とし検索に力点のある電子出版物について,企画からパッケージングまでの制作工程と文字,画像,音声データの収集加工について解説した。特に文字データのタグ付け,検索設計とインデックス作成の実際について詳しく解説し,出版資産構築のためのデータ運用法である編集マスターデータ構築,ワンソース・マルチメディア展開の考え方についても触れた。
著者
長谷川 秀記
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.261-265, 2006-06-01

電子書籍は,携帯電話での読書の伸びなどもあり,普及段階に入ったといえる。また,紙の本からアニメ・映画・ゲーム・キャラクター商品などへ展開するクロスメディアの動きも活発である。クロスメディアの時代においては,複雑な権利関係が発生し,著作権や関連権利の調整に大きな注意が払われなくてはいけない。電子書籍はコピーや通信による頒布が簡単である。したがって,著作権管理システム(DRM)による不正コピー防止策が必要だと言われ,DRMを採用した電子書籍フォーマットも登場している。しかし,実際に流通している電子書籍の大部分では読者の利便を優先し,ゆるやかな著作権管理しか行われていない。今後より使い勝手のよいDRMの登場が期待される。
著者
長谷川 秀記
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.587-598, 2016

<p>日本の電子出版30年の歴史を電子辞書と電子書籍の2つのコンテンツから概観する。日本の電子出版はCD-ROMの登場とともに誕生した。電子辞書は1980年代後半に生まれたCD-ROM辞書から始まり,1990年代後半には携帯電子辞書端末が主流となる。1999年iモードがリリースされると会員制のケータイ辞書引きサービスが生まれ,現在はネットワーク辞書とスマホ辞書アプリが主流になるなど時代によって媒体が変化してきた。現在はネット上の無料辞書引きサービスや検索エンジンに押されて有料電子辞書は苦戦をしている状況である。一方,電子書籍は電子辞書に比べると普及に時間がかかった。最初の電子書店は1990年代半ばにできたが,iモードによってケータイでコミックが読めるようになると徐々に普及が進み,スマートフォンの発売や米国での電子書籍のブームを受けて,日本でも2010年は「電子書籍元年」と騒がれた。現在はまだ印刷本の電子化という段階にとどまっているが,今後電子ならではの表現が加わることが期待される。</p>
著者
長谷川 秀記
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.265-275, 2002

Webサイトの構築や広報システムの電子化などに伴い,各種のOAデータをeコンテンツ用のデータに加工する技術が必要とされる。この連載はデータ入手からテキスト化,データ・チェック,文字の問題,タグ・データ加工までの各段階について,基本知識と技術の実務を解説する。今回は最終回として,クリーンアップされたテキストデータからeコンテンツ用にタグ・データ加工を行う工程を説明する。