著者
田崎 義孝 葛西 正則 長谷川 雅明 遠藤 昌伸
出版者
新潟県農業総合研究所
巻号頁・発行日
no.17, pp.25-39, 2019 (Released:2019-08-27)

ウリ科作物(スイカ・キュウリ)の断根挿し接ぎ木法に対する人工光利用として、接ぎ木前および養生時における光照射が接ぎ木苗の活着および生育に及ぼす影響を調べた。昼白色LEDランプを光源とする接ぎ木前照射は、寡日照の環境条件下において葉色および乾物重の増加と穂木の奇形葉発生の軽減に効果が見られた。さらに、養生時照射は、接ぎ部の癒合と台木の不定根発生を促進する効果と共に、穂木又は台木の子葉に生じる褐変や黄化を軽減する効果が見られた。光合成有効光量子束密度(PPFD)は、接ぎ木前では40μmol・m-2・s-1、養生時では10μmol・m-2・s-1の弱光による各3日間の連続照射で十分な効果が得られた。