著者
荻野 正雄 長谷川 颯
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.20190002, 2019-03-08 (Released:2019-03-08)
参考文献数
26

SPH法やMPS法などの粒子法は自由表面を含む流れ解析に広く用いられている.本研究は,粒子法における粒子初期配置に着目したものである.粒子初期配置としては正方格子状のものが一般的に用いられているが,壁境界などにおける曲面や斜面を十分に表現することができない.それにより,計算精度の低下を招く可能性がある.そこで著者らは重心ボロノイ分割に基づく粒子初期配置の決定方法を提案する.重心ボロノイ分割はボロノイ分割の特別なケースであり,母点とボロノイセル重心が一致するものである.2次元平面で重心ボロノイ分割を用いた場合,ボロノイセルは正六角形に漸近することが知られている.本研究では,重心ボロノイ分割に基づく粒子配置アルゴリズムを開発し,数値実験によって有効性を評価する.