著者
長谷川孝博 松村宣顕 高橋秀年 井上春樹
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.107-114, 2013

<p>構成員約12,000人(アカウント総数約13,000)の国立大学法人において,120日間のパスワード定期更新の管理策をシステム要求として徹底実践した場合に起こる課題と成果を8年間の運用実績とデータに基づき考察した.パスワード定期更新の管理策を順当に履行できる利用者は約7割であった.残る約3割のパスワード失効者および忘失者に対して「IDカード認証するパスワード自動再発行機」,「指静脈の生体認証を用いた無人パスワード自動再発行機」および「窓口における対面の再発行申請手続き」を併用して対応した.「IDカード認証するパスワード自動再発行機」が最も有効に機能し,その他の再発行機能が補助的に機能した.その結果,長期に亘る本管理策運用が可能であることが示された.</p>
著者
永田正樹 磯部千裕 李芷君 山崎國弘 長谷川孝博 井上春樹
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.3-12, 2017-09-25 (Released:2018-08-03)
参考文献数
20

人型ロボットを用いた講義動画を広域配信するシステム「SUPICE」を開発した.近年,日本の少子化に起因する大学のグローバル化に伴い,遠隔での学習が可能な反転授業が注目されている.反転授業では動画教材を用いるため,正確な反復性および多言語発話などが可能な人型ロボットでの動画作成が適している.そこで我々は,(1)利用者からパワーポイントスライドを受領し,(2)受領スライドに基づく多言語講義を人型ロボットが実演し,(3)実演した様子を動画化し,(4)その動画をインターネット上にて広域配信する講義動画配信システム「SUPICE」を開発した.「SUPICE」を用いることで,1体の人型ロボットにて複数の講義を同時に実施でき,かつ受講者はインターネット経由でいつでも講義動画を受講できるようになった.静岡大学学内での講義や説明会にて「SUPICE」の検証を実施し,本システムの有効性を確認したため,2017年4月から全学向けサービスを開始した.
著者
永田正樹 山崎國弘 淺野みさき 神山夏実 井上春樹 長谷川孝博
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.9-16, 2019-09-17 (Released:2019-09-17)
参考文献数
9

「静岡大学テレビジョン SUTV」は,大学に関連するさまざまな動画をWebシステムにて公開する動画サイトである.SUTVでは,大学祭,オープンキャンパス,合格発表,入学式,卒業式などのイベント,教員及び研究の紹介など毎年200~300本の番組を作成し,公開している.筆者らはSUTVを用いて,動画公開が大学広報に及ぼす影響を分析している.これまでの調査結果から,大学入試やオープンキャンパスなどの時期にSUTVへの訪問数が増加していることを確認し,大学の広報として成果を上げていることがわかった.そこで本稿では,訪問数が増加するイベント期間中に多く視聴されている番組を把握し,それら番組の特性を明らかにすることで,より多くの視聴者の獲得や効果的な大学広報に寄与する動画番組について考察する.
著者
永田正樹 磯部千裕 安原裕子 古畑智博 高田重利 松村宣顕 山崎國弘 長谷川孝博 井上春樹
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.12-22, 2018-09-19 (Released:2018-09-10)
参考文献数
17

静岡大学は,2018年3月にトラフィック分散型eduroam無線LAN基盤「静大IoTE」を構築した.静岡大学では,アクティブラーニング,反転授業,大学動画配信Webサイトなど,多様な教育ICTサービスを提供しており,年々利用者が増加している.これらサービス利用の環境として,これまでも学内無線LANを整備していたが,サービス多様化にともない利用者の増加およびトラフィック量が増加した.そこで,学内のインターネット通信を分散して,複数回線にバイパスするデータオフロードの仕組みをeduroam基盤にて構築した.これまで,学内ネットワークの最終出口はSINETを介していたが,これに複数の商用回線を追加することでトラフィック負荷を軽減した.また,eduroam基盤には普及品の機器やオープンソースソフトウェアを用いることで,構築費用を軽減できた.