著者
尾崎 史郎 門田 悟 中川 昌一
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.10, pp.923-929, 1980-10-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
25

近年血中に存在し, インスリン抗体により抑制されないインスリン様物質 (NSILA-s) が血清中より精製され, その測定にはbioassayのかわりにradioreceptor assay (RRA) が開発されている.今回我々はNSILA-sの類似物質であるsomatomedin Cがヒト胎盤細胞膜のインスリンレセプターと結合し, インスリンと拮抗する性質を有することより, ヒト胎盤細胞膜より可溶化したインスリンレセプターを使用し, レセプターアッセイを行い, NSILA-sの測定法を開発した.ヒト血漿より粗精製したNSILA-sはラット副睾丸脂肪細胞を使用したbioassayではインスリン活性値は6.3~8.6mU/mg平均7.1mU/mgであり, 最終的に3550倍に精製された製品であった.又インスリンレセプターアッセイをもちいた測定では8.8mU/mgの活性を有し, 生物学的活性値とほぼ一致した.