著者
関田 徳雄 山田 雅輝
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1973, no.24, pp.23-27, 1973-12-05 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

1. 室内実験の結果, 定温条件におけるミダレカクモンハマキの休眠終了後における卵発育の理論上の発育零点は6.4℃, 有効積算温度は140日度と計算された。この結果は他の実験者の結果とも矛眉するものではなかった。2. 変温条件でのふ化までに要する温量は定温条件での結果と大差なかった。3.野外での実際のふ化は樹表面温度に直接影響されることが明らかとなった。しかし, 巨視的にみれば気温と樹表面温度は平行的に変動しているものと思われるので, 有効気温の累積によってふ化の予測をしうるものと考え, 過去の資料を申いてその可能性を検討した。4.その結果, ある程度満足できる結果がえられ, 3月以降の6.5℃以上の累積温量によって, ふ化初発は40日度に達した日を起点にすれば平均4.4日後, ふ化50%日は60日度および80日度に達した日を起点にすれば, それぞれ7.8日後と2.4日後であった。