著者
種市 信裕 今井 英幸 関谷 祐里
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.11-17, 1998
参考文献数
6

回帰分析ではあるデータが回帰係数の推定に及ぼす影響を評価するために回帰診断が広く用いられている.Andersen (1992)はセル確率が未知パラメータにより表現される多項モデルのパラメータ推定において,各セルが推定に与える影響力を評価するために回帰診断におけるCook距離(Cook & Weisberg, 1982)に類似した指標を提案した.この指標はセルの観測値が0であるという条件付分布のもとでの推定量を用いて各セルがパラメータ推定に与える影響を評価するために,統計モデル的な意味での解釈が難しい.そこで本論文においては統計モデル的に意味のある影響力評価のための指標の提案を行い,さらにその指標の近似指標を与えた.