著者
小泉 幸男 赤塚 敬彰 佐伯 多希子 東口 伸二 關谷 次郎
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.117-123, 2002-04-05

マメ科植物では垂直光屈性や平行光屈性など葉が運動をすることが知られている.著者らはイオウ欠如処理をしたダイズの葉が強い平行光屈性を示すことを見出したのでこれについて解析した.第3葉が展開中のダイズを,10日間イオウ欠如処理し(S0区),健全植物(S1区)と比較すると,外観的には欠乏障害はほとんど認められず,乾燥重でもほとんど差がなかった.S0区の第2葉,第3葉のクロロフィル量,光合成活性,S,N,Ca含量は新鮮重当たりでわずかに低下した.イオウ化合物については,硫酸イオン,ホモグルタチオンがS0区で大きく減少していたが,脂質態Sとタンパク態Sの減少はわずかであった.以上の結果,イオウ欠如処理10日目はイオウ欠乏の初期状態であると結論した.ダイズの葉は光照射に応答して上下運動,回転運動を行った.光受容部位は葉枕であり,葉枕への上部からの光照射に対して,中央小葉では上下運動が,左右小葉では回転運動が主であった.この上下運動と回転運動は光照射開始後約1時間で一定値に達し,その運動量はS0区の葉の方がS1区のそれより大きく,強い平行光屈性を示した.このような現象は処理開始後5日目ですでに認められた.自然光下ではこれらの上下運動や回転運動の組み合わせで,光屈性の異常(強い平行光屈性)を示すものと考えられる.