- 著者
-
窪野 高徳
市原 優
阪上 宏樹
- 出版者
- 独立行政法人森林総合研究所
- 雑誌
- 挑戦的萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2012-04-01
子のう菌類、Sydowia japonica 菌を用いて、都市圏の住民に問題となっているカバノキ科樹木及びマツ科樹木の花粉症を防止するため、本菌を用いた接種試験を実施した。米ぬか・ふすま培地に培養した活性の高い本菌の菌糸塊を用いた接種試験では、クロマツ及びアカマツの雄花では感染しなかった。一方、カバノキ科樹木においては「有傷接種」で開花しない雄花が発生し、シラカバ、ヤマハンノキ及びカワラハンノキから本菌が再分離されて、病原性が確認された。そこで、防止液の散布による実用化を目指して、カバノキ科の上記3種に対して胞子体懸濁液の散布試験を実施したが、雄花には異常は見られず、花粉は正常に飛散した。