- 著者
-
阪口 正二郎
- 出版者
- 一橋大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2013-04-01
本研究は、憲法上の権利を制約する政府の行為の合憲性を判断する基準としてのヨーロッパの比例原則とアメリカの違憲審査基準の比較を行い、①両者の違いはアメリカの違憲審査基準の特殊な歴史的起源から説明できること、②両者はともに規制の合憲性を憲法上の権利と政府の利益の衡量によって判断する利益衡量という考え方を共有していること、③政府の行為の帰結に着目する利益衡量という手法を政府の行為理由に注目する方法によって補完する必要があり、それは実際に可能であることを明らかにした。