- 著者
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石社 修一
阿保 昭則
土田 昇
- 出版者
- 公益財団法人 竹中大工道具館
- 雑誌
- 竹中大工道具館研究紀要 (ISSN:09153685)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, pp.3-48, 2010 (Released:2021-03-22)
- 参考文献数
- 11
鉋の⌈切れ味⌉について、下記の知見を得た。
(1) 鍛え焼入れを同様に行って金属組織が合格品質のものでも、焼き戻しの設定で削り試験の結果に明確な差が生まれ、鉋の評価も差が付いた。
(2) 大工が鉋の切れ味を表現する際に用いる⌈甘切れ⌉という言葉について、杉や檜における削りの仕上がりと引きの感触に関係があることが確認された。
(3) 鉋刃に高炭素鋼を用いた場合は高硬度でも研ぎやすいと感じるものの、最終的な刃付けを安定して行うことが困難になることが確認された。