著者
遠藤 文康 大脇 和浩 新保 正貴 松下 一仁 大山 雄大 新村 智己 京野 陽子 阿南 剛 小松 健司 服部 一紀
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.212-215, 2017

<p> モーセレーションで吸引困難な硬結 (beach balls, BB) の出現予測因子を検討. 対象 : 聖路加病院で2014/1-2016/6実施されたHoLEP症例でバーサカットによりモーセレーションされた248例. 方法 : 目的変数をBBの有無, 説明変数を年齢, BMI, PSA, 尿閉既往, 膿尿, Dutasteride内服, 前立腺推定容積, MRIでのnoduleの有無, 中葉の存在として統計学的検討を施行. 期間中に3種類のモーセレータチューブを使用しており, その影響も検討. 結果 : BB発生は20.6% (51/248). BB出現時モーセレーションは27分延長. 単変量解析ではPSA中央値 (BB無vs有=4.69 vs 6.84 p=0.016), 前立腺容積 (53.1 vs 81.9, p<.0001) が有意だったが, 多変量解析では容積のみ有意であった (OR 1.031, p<.0001). チューブは1世代に対し, 2世代でBBの出現が増加 (OR3.69, p=0.005). 前立腺容積のROC解析ではAUC0.743, カットオフ値は61ml (感度61.2%, 特異度78.45%) と算出された.</p>