著者
阿部 省三
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.619-625, 1990 (Released:2012-03-23)
被引用文献数
1

獣医師の主なる職務分野の一つであって, 一般には馴染みの薄い食肉検査の機械化を試みた。食肉検査は, と畜場で屠殺された家畜を解体する一連の作業の中で行なわれるが, 業務内容は旧態依然として非効率的であり, 合理化が求められていた。検査員は両手を用いて家畜一頭分の臓器を仕分け, 肉眼でその健康状態を診断する必要があるため, 現場でのデータ入力方式として音声入力を採用した。検査員の音声による検査結果は音声認識応答装置に送られ, 一頭単位の管理可能な検査データに変換されて蓄積される。本システムは音声入力に基づいていることから, データ入力時の用語の整理がシステム運用上重要な要素であり, 疾病・病変名等の選定, 分類, コード化についても具体例を紹介。