著者
陳 秀男 郭 光雄
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.129-137, 1981-11-30 (Released:2009-10-26)
参考文献数
15
被引用文献数
2 13

ニホンウナギの(Anguilla japonica)卵巣から株化細胞EO-2を確立した。その細胞は32±1℃下で,10%の牛胎児の血清を加えた培地Leibovitz's L-15を用いて,19ケ月の間に110代継代している。また20~37℃の範囲でEO-2株化細胞を維持できた。本株化細胞は,大型または小型の核をもつ線維芽性細胞から成っている。大部分の培養細胞中に多核細胞が存在していた。100個の細胞分裂中期のEO-2細胞について計数した染色体数は,38を中心にして22から74の範囲であった。低い濃度で細胞を接種すると,8%しか付着しなかった。EO-2細胞はEVE, EVEX及びEVAに対して感受性を示した。この3種のウイルスに対するEO-2細胞の感受性は, RTG-2, FHM細胞のそれよりも高かった。この株化細胞は,細菌,真菌及びマイクロプラズムに感染していないことがわかった。