著者
雄倉 幸昭 大槻 均 山本 正視
出版者
水資源・環境学会
雑誌
水資源・環境研究 (ISSN:09138277)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.2, pp.47-61, 1988

上水道の規模を決定するピーク需要量は,明らかに気象の影響を受けるはずである。しかし従来は,需要の傾向変動のみを追究し,その水源の安全度は,再現確率のみに頼っていた感があった。<BR>本論文では,気象も,さらには社会現象を含めても,それらは比較的長い周期のうねりを持っており,その上に各年固有の気象要因が重なったものであり,水需要はこれらのうねりと要因の影響を受けた結果と考えた。3企業体について,このうねりをスペクトル分析で求め,それに12項目から重回帰分析で抽出した気象要因を導入して,回帰式の適合度を高めた。有意な気象要因は,年間雨量,ピーク需要発生直前の雨量,日照時間および真夏日日数であった。