著者
上原 勝 青山 智津子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.35-42, 1994
被引用文献数
1

最近では,登山靴やスキー靴の素材としてプラスチックが多く用いられている。プラスチック製の靴は,防水性に富む,軽い,発色に優れる,安い,というように多くの利点を持つ。ところが一方で,このようなプラスチック製の靴が使用中に突然破損した,という報告が見られるようになった。登山中やスキーの滑走中の破損は,深刻な事故につながる可能性もあり非常に危険である。本研究の目的は,これらの破損の原因を探り,破損事故防止のための適正な使用方法を示すことにある。この研究の結果,プラスチック靴の破損のメカニズムが明らかにされた。そしてさらに事故防止への対処と,靴の素材改良への提案を試みた。靴にあらわれた小さな亀裂が,使用中の突然の破損を引き起こす可能性があるため,これらの注意をはらう必要があることなどを主なものとしてあげた。