著者
大谷 和彦 薄井 雅夫 青木 純子
出版者
栃木県農業試験場
雑誌
栃木県農業試験場研究報告 (ISSN:03889270)
巻号頁・発行日
no.52, pp.1-18, 2003-12
被引用文献数
1

1995-1999年栃木県産米のタンパク質含有率(玄米乾物)の平均値は7.55%で、5.4-10.2%と変動の幅が大きかった。その変動要因は、地域、品種および土壌ごとに異なっていた。そして、食味改善のためにはタンパク質含有率を8%以下にする必要があった。米タンパク質含有率を高めてしまう肥培管理は、基肥や追肥で窒素を多く施肥することであった。多湿黒ボク土において、基肥窒素量0.2kg/a、出穂前40日に肥効調節型窒素肥料で0.2kg/aの計0.4kg/a、慣行の6割に窒素施肥量を減らすと、米タンパク質含有率が明らかに下がった。気象要因では、登熟期の積算気温の関与が大きかった。特に、登熟後半も高温が続くとタンパク質含有率は高まった。また、出穂前20日の生育量から、タンパク質含有率および玄米収量を予測することができた。