- 著者
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田岡 洋子
井澤 尚子
高森 壽
斎藤 祥子
青木 迪佳
- 出版者
- 福知山公立大学
- 雑誌
- 京都短期大学紀要 (ISSN:13483064)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.1, pp.17-39, 2007-03
- 被引用文献数
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望ましい高齢者の衣服についての調査を2001年10・11月に北海道から九州の8地域の居住する元気な高齢者を対象に質問紙調査法を実施した。有効回収数1,092票、有効回収率93.7%であった。生活意識として、心配ごとは健康で、それを維持するために、食べ物に注意している。楽しいことは人と接することで、外出や旅行を好み、おしゃれ感もあり、服装におしゃれ感のある人が多い。着用時の留意点としては「足もとには履きやすいもの」「色・柄・デザインが気に入ったもの」「肌触りがよく柔らかいもの」など女性60才代、70才代、80才代の間に有意差のある25項目中17項目で、因子分析後の因子得点は「自己表現」に高得点を得た60才代と低得点の80才代。また、地域的には「自己表現」の高得点地域は関東、四国、近畿で、「実用性」は近畿、四国、が高得点であった。「調和」の高得点は九州、北海道、中部、四国の順であり、「規範性」は北海道が高得点であった。次にイメージとしては「ゆったりした」「暖かく」「上品な」「明るい」「親しみやすい」が上位で、18対の形容詞の中9対が有意差があり、因子分析後の因子得点は「活動性」に80才代は高得点を得て、低得点の60才代であった。また、地域では「容儀性」の高得点は関東、東北、近畿の順で、「活動性」は北海道、四国、中部の順に高得点であった。「親しみやすさ」は中国、関東が高得点で、「ファッション性」は近畿、中国、四国の順に高得点であった。以上のように、望ましい高齢者の衣服は年齢差、地域差があることが分かった。