著者
松峯 敬夫 高橋 正樹 福留 厚 江淵 正和 青本 幹雄
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1108-1109, 1974-10-20

症例2 (びまん性腹膜炎例) 術中所見:腹腔内に約200mlの膿汁貯留を認める.盲腸は紅色を呈し蜂窩織炎状で,著しく拡張し,腸管壁が紙様に薄くなつた部位には,4コの穿孔が認められる(⑨).また肝下縁に穿孔を伴つた胡桃大の肝膿瘍がみられる. 病理所見:盲腸ならびに上部上行結腸に黄白色の偽膜に覆われた孤立性および地図状に融合した潰瘍があり,この中に明瞭な4コの穿孔が認められる(⑩).これらの潰瘍では下掘れが顕著で,潰瘍底の深さはおおよそ粘膜下層に留まつている(⑪).融解壊死巣には多数の好中球が滲出しているが,これは二次的細菌感染のためと考えられる.潰瘍底周辺部には特に無数の好中球が集つており,浮腫が強い.フィブリノイド壊死層や肉芽組織の形成は認められない.また好酸球は目立たない.潰瘍底の辺縁部に多数のアメーバが見出されるが,これらはいずれも赤血球貪喰性を示さない.