著者
青柳 優子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.27-33, 2016 (Released:2016-09-30)
参考文献数
37
被引用文献数
7 4

目的:「医療従事者の倫理的感受性」の概念分析を行い,定義を明らかにすることである.方法:Rodgersの概念分析アプローチ法を用いた.データ収集には5つのデータベースPubMed,CINAHL Plus with Full Text,PsycINFO,医学中央雑誌web版,CiNii Articlesを使用した.検索用語は「ethical sensitivity」,「moral sensitivity」,「倫理的感受性」とし,計47件の論文を分析対象とした.結果:属性として5カテゴリー【倫理的状況に反応して感情が表れる】,【対象者中心の医療における自己の役割への責任感】【倫理的問題に気づく能力】【倫理的問題を明確にする能力】【倫理的問題に立ち向かう能力】を抽出した.先行要件には2カテゴリー,帰結には3カテゴリーを抽出した.結論:医療従事者の倫理的感受性は,倫理的問題の解決において意味をもち,問題を抽出するだけでなく立ち向かおうとすることを含む総合的な能力であった.