著者
杉村 昌彦 飯国 洋二 足立 紀彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.101-108, 1997-01-25
被引用文献数
11

イメージマッチングとは, 異なる状況下で得られた2枚の画像間の対応点を探索し, 対応関係を表す写像を見つけることであり, 画像処理における基本的問題の一つである. 本論文では, ツェルニケモーメントを特徴量とする2次元動的計画法を使って, 2次元の変形を含んだ2枚の階調画像の対応点を探索する方法を示す. この動的計画法では, 画像を複数の円形領域で区切り, その円形領域を対応単位とする. そして, 直線上の領域を曲線上の領域に対応させることで, 画像の局所的な平行移動, 伸縮成分を吸収する. また, 各円形領域の特徴量として回転に不変なツェルニケモーメントを用いることで, 画像の局所的な回転成分を吸収する. 計算機実験により画素を対応単位とする従来法に比ベ, 計算量が削減できると共にマッチング精度が向上することを確認した.