著者
北村 和哉 飯田 宗穂
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

潰瘍性大腸炎は原因不明の腸管の慢性炎症性疾患であるが、その一因に腸内細菌叢の乱れが存在する。この乱れを是正する方法として糞便細菌叢移植がある。糞便細菌叢移植を成功させる要素として、移植細菌の患者粘膜への生着が重要である。本研究では、移植細菌が患者粘膜に生着する免疫学的機序を明らかにすることを目的とした。今研究の結果、糞便細菌叢移植の移植細菌の生着に、ステロイドが負の役割を果たすことが明らかとなった。このステロイドの作用は、主に粘液中のMUC2の発現抑制によるものであり、外的に粘液を投与したり、内的な粘液分泌を促すレバミピド投与で、移植細菌叢の生着が改善することが明らかとなった。