著者
飯田 祥与
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.369-373, 2016

<p> 口腔内衛生状態・咬合関係などの咀嚼機能が認知症の状態に関連することが臨床研究として報告されており,現在に至るまで咀嚼機能と高次脳機能との関連性について多岐にわたる研究が進められている.</p><p> 咬合支持の喪失と回復が高次脳機能に与える影響について,現在までに発表されている研究に加えて,我々が行った迷路課題によって海馬に発現する遺伝子をDNA microarrayを用いて網羅的に解析して記憶関連遺伝子を選択し,迷路課題実施によるこの遺伝子発現に対して歯の欠損や咬合支持の回復が及ぼす影響について,定量的に検討を行った研究を紹介する.</p>