著者
香川 敏昭
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.192-195, 1996

マイクロ波の照射出力を高めると蛹体が破裂する蛹が出現するが, 家蚕繭の乾燥においては, 生繭重量に対するマイクロ波の照射ワット数は1.3watt/g程度が適当であることが示唆された。繭乾燥におけるマイクロ波照射による蛹の致死時期は, 照射開始後2分ないし2.5分と比較的早い時期で, 水分の蒸発は低かった。マイクロ波照射の蛹の外部形態および血液量に対する影響は, 雌雄により差異がみられ, 照射開始7分後の蛹体は収縮程度において雌が大きく, また, 頭部切除による血液の滴下が認められない個体数も雌が多く, その影響は雌に大きく現れていた。