著者
高倉 朋和
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.71-78, 2017-01-01 (Released:2018-01-15)
参考文献数
32

研究をスタートする際に知っておきたい基礎知識として「EBMの概念」,「研究手法と研究デザインの分類」,「研究の流れ」について述べた.「研究の流れ」としては,まずクリニカルクエスチョン(CQ)があり,これが“研究の種”となって,“研究の骨格”たるリサーチクエスチョン(RQ)や研究の仮説へと発展する.この際にPICO/PECOを用いた“RQの構造化”やFIRMER/FIRM2NESS checkを用いた“RQのチェック”が有用である.“研究の設計図”である研究プロトコルをしっかりと練り上げることが研究の成否を握るカギとなる.研究成果を学会発表·論文報告として積極的に公表していくことにより,次の研究のステップへと発展していく.
著者
高倉 朋和
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.33-39, 2017-01-01 (Released:2018-01-15)
参考文献数
18

近年,コンパートメント症候群や広範囲皮膚欠損創を呈する外傷治療において,陰圧閉鎖療法(NPWT)をはじめとする治療法の進歩はめざましく,患肢温存の可能性がより高くなったといえる.コンパートメント症候群後の障害像は,血流低下,筋·腱組織損傷や虚血性萎縮,神経損傷による運動麻痺や感覚障害など複合的な要因によるため多彩である.早期の機能回復,早期社会復帰にむけたリハビリテーションにおいて,骨折·皮膚治療の段階に応じた適切な装具療法が重要となる.