- 著者
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高安 浩平
村井 妙
安野 恭平
小林 亮介
池田 智武
上家 潤一
代田 欣二
- 出版者
- 日本獣医皮膚科学会
- 雑誌
- 獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.2, pp.105-111, 2016 (Released:2016-07-09)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
-
1
8歳,未去勢雄の右側大腿部皮膚に発生した小腫瘤を骨外性粘液性軟骨肉腫と診断した。組織学的に腫瘍は小葉構造を示し,血管に乏しく粘液性基質に富んでおり,腫瘍細胞は多形性で特徴的細胞索を形成していた。免疫染色で腫瘍細胞はvimentin,S-100a,neuron-specific enolaseおよび synaptophysin に陽性を示した。切除手術6ヵ月後には再発や転移を認めなかったが,15ヵ月後には右大腿部から腹部に亘る大きな再発腫瘍と多発性肺腫瘍を認め,剖検により,これらの腫瘍が原発腫瘍と同様であり,軟骨や骨を侵襲していない事が確認された。