著者
高山 敦好 池田 真俊 藤田 浩嗣 原野 亘
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.747-753, 2013-12-20 (Released:2014-01-11)
参考文献数
11
被引用文献数
2

一部の工場や船舶機関において,環境負荷低減技術としてスクラバが用いられている.スクラバは,噴霧水滴との反応で,NOx,SOxを低減できるだけでなく,噴霧水滴との衝突で PMの捕集も可能である.しかしながら,スクラバ処理後は水槽内に排ガス成分を含んだ廃水が伴い,その処理が問題視されている.本研究は,3流体噴射弁を用い,燃料と廃水による混合燃焼により,廃水処理を含めた環境負荷低減技術を開発した.水との混合燃焼は,燃焼温度が下がることにより NOxの低減が見込め,同時に燃焼性が向上しPMの低減も可能である.廃水による混合燃焼は,水道水による混合燃焼と比べるとA重油では約5%,C重油では5-30%NOx濃度が上昇した.PMについては,水道水による混合燃焼では SOFが約 73%,DSが約 80%低減でき,廃水による混合燃焼では,SOFが 68%,DSが 74%低減できた.よって,本研究は,廃水処理と同時に排ガスを削減できた.