著者
高木 久之 北田 敏廣
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.827-846, 1994-12-31
被引用文献数
10

ドップラーソーダデータによって得られた乱流運動エネルギーの鉛直分布を1次元k-ε乱流モデルを用いて再現することを試みた.その過程を通じて,ε方程式中のモデルパラメータ値に対する検討及び,乱れの運動エネルギーの水平方向移流効果の影響についても考察した.混合層高度が大きく風速の弱い条件では鉛直1次元k-ε乱流モデルによる計算結果とドップラーソーダの観測結果はよく一致した.また,ε方程式中の浮力項を制御するモデルパラメータを変えた計算結果とドップラーソーダの観測結果との比較では,安定成層においても浮力効果を反映させた方が観測結果により近い値を示すことがわかった.海風通過後の水平風速が強い場合は水平方向移流効果を無視することはできず,観測結果を再現するには水平方向移流過程がkの保存式中に必要であった.