著者
高木 友雄 柳田 勇
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.29-33, 1960-01-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

強リン酸-ヨウ素酸分解法による窒素定量は従来水溶性無機物および普通の有機物について発表されたが,カルシウムシアナミドのように不純物としてアセチレンガスを発生する物質については従来の方法では測定できない.よって別個の操作法を研究した.すなわち試料を一定量の強リン酸と予備加熱して溶解し,試料より発生する不純物ガスと強リン酸中の空気を追放し,冷後ヨウ素酸カリウムを加えて加熱測定する.別に一定量の強リン酸をとり,これにヨウ素酸カリウムを加えて加熱し,強リン酸中にブランクとして含まれるアンモニァを炭酸ガスブランクとともに測定して差し引くこととした.ケルダール法で数時間を要するが本法では操作時間25分以内である.測定平均値はケルダール法にほとんど一致する.