著者
高木 清晴 佐藤 馨一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.635-640, 2002

本論文では、今話題の北京-上海高速鉄道計画において、新幹線のような高速鉄輪と超高速リニアの二者択一の議論がある中で、筆者等は同計画における需要予測や経済財務分析を中国鉄道部と協力して行ってきた経験から、中国がとりわけ広大でかつ稠密な人口を擁する世界に例のない特別な地域であることを考慮すると、二者択一の議論は、適切ではなく、更に、将来の需要は大きいものがあるので、超高速リニアの可能性もあることから、リニアも含んだ高速交通体系の中で議論されるべきであることを主張し、また、当面の輸送力増強は、成熟した技術で在来鉄道ネットワークが利用できる高速鉄輪で建設すべきであると考察した。