- 著者
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大黒 篤
藤城 寿太郎
高本 孝頼
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.39, pp.2270-2271, 1989-10-16
バス会社や鉄道会社の主業務であるダイヤ編成業務は、利用客のニーズ、労働協約の変更、他交通機関との関係、あるいは路線変更等の事情により、絶えず必要となっている。しかし、ダイヤ編成は、長年の経験を積んだ専門家をもってしても非常に時間のかかる作業であり、要求に対応できないのが現状である。ダイヤ編成を複雑なものとしている原因のひとつに、「線のつなぎ」の問題がある。線のつなぎとは、粗ダイヤを、労働協約や路線・停留所の事情を考慮しつつ、均一でかつ効率の良い仕業に分ける作業をいう。つまり、与えられた粗ダイヤを、なるべく少ない資源(人間及び車両)でつなぎ、なおかつなるべく効率の良い勤務となるように、各仕業に均一に分ける問題である。この作業は、従来、「スジ屋」と呼ばれる(少数の)ダイヤの専門家が、長い時間かけて行なってきたため、大幅なダイヤ編成作業は、数ケ月から1年もの期間を要することもあった。今回開発した「ダイヤ編成支援システム」は、この線のつなぎをシステムが自動的に行なう。本システム全体の構成を図1に示す。図に示すように、本システムは、基本運行計画に基づいて粗ダイヤをCADで作成する「作図サブシステム」、線のつなぎを支援する「つなぎサブシステム」、路線・停留所データや運行計画等を管理する「データ管理サブシステム」、完成したダイヤから種々の帳票を作成する「帳票作成サブシステム」の4つのサブシステムからなる。