著者
高松 千尋
出版者
日本大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

ヨアヒム・フォン・ザントラルトの著書『高貴なる建築・彫刻・絵画のドイツ・アカデミー』(1675-1679年、ニュルンベルク)について研究する。同書は17世紀に出版された画家伝兼絵画理論書であるが、その研究は未だ断片的なものにとどまっている。その資料的価値は近年ようやく認められつつあり、今後美術史研究の一次資料として重要性を強めていくと思われる。本研究ではザントラルトがローマで直接交際した北方の画家たちを対象とし、『ドイツ・アカデミー』中の伝記を他の画家伝と比較することで、その記述内容や芸術観の特質を明らかにする。